私はあまり結婚願望が強い方ではありませんでした。
理想の王子様なんている筈ないと思っていたから。
それと私は仕事人間でした。
ちょっとした技術職だったので、お給料は高くはないけど、仕事にやりがいを感じていました。
一生独身でもどうにかやっていけるんじゃないかって思えるくらい、仕事が好きで辞めようと思ったこともありませんでした。
だから、私は一生独身で仕事を続けながら生きて行くんだろうなと漠然と考えていました。
でもそれが、彼に出会ったことで変わってしまったのです。
出会った頃の彼は、まさに私の理想の王子様でした。
私の理想にピタリと当てはまる男性でした。
・妻を養うという覚悟があること
・思いやりがあること
・真面目であること
・いざという時に、頼れる男性であること
・私の実家より相手の実家の方がお金もちであること(笑)
とかとか(笑)
結婚は諦めていたので、あまり真剣に結婚条件を考えていたわけではないのですが、なんとなく結婚するならこういう人が良いなと思っていました。
そんな旦那ですが、第一印象は「真面目で誠実な人」でした。
(今となっては、どこでそう感じたのか全く思い出せないのだけど…)
でも当時、それまで出会った男達とは違う何かを感じたのは事実です。
だから私は急激に旦那に惹かれていきました。
当時の私の気持ちの高ぶり方は尋常ではありませんでした。
付き合ってすぐなのに、この人とだったら結婚しても良いとまで思いました。
旦那はとても頭の回転が速くて、記憶力も抜群。
私は頭の素質の良い男にも弱いです(笑)
私のように頭が悪くても努力さえすれば、世の中生きていけるとは思っていたけど、やっぱり自分にない能力を持っている男性には魅力を感じました。
旦那はよく喋る人で、(今思えば人を侮辱するような話題が多かったのだけど…)それでも独特のユーモアがあって話が面白かったです。
ついでに、頭が良い人=想像力・理解力がある(相手の気持ちも想像して理解できる)、という私の都合の良い思い込みも働いました。
どんなことにも力強く批判する彼の態度を見て、何故か頼り甲斐がある人だとも感じていました。
実際、旦那はいつでも自信のある素振りを見せていましたし。
私はあっという間に旦那という人間に惹かれていき、そんな私の気持ちを知って、旦那は知り合って、たった1ヵ月でプロポーズをしてくれました。
実は、この時はまだ旦那と肉体関係になったことはありませんでした。
そこも、当時の私にはかなりポイントが高かったです。
なんて真面目な人なんだ、って思ってしまったのです。
やっぱり今までの男性とは違う。
もうこの人以上の男性は現れないって、本気で思っていました。
だから、プロポーズはとても嬉しくて、ふたつ返事でOKしました。
旦那の本当の正体を知らないままで…。
プロポーズ後も、旦那は魅力的なことを沢山言ってくれました。
旦那「結婚したらエリは仕事どうする? 続けてもいいし、辞めてもいいよ」
私の解釈 (私の気持ちを尊重してくれている。そして、私の給料を当てにはしてない。つまり、家族を養う覚悟ができている)
旦那「昔は自分の奥さんには専業主婦になってもらいたいと思っていた。
でも、今はそういう時代ではないし、毎日家に閉じこもって
旦那の帰りを待つだけなんて女性はつまらないと思うから、
結婚しても仕事を続けることは良いことだと思う」
私の解釈 (女性の立場も考えられる人)
旦那「結婚後は、平日は無理に家事をする必要はない。
俺も一人暮らしをしているから、自分のことは自分でできる。
お互い仕事が終わる時間は違うから、
平日は夕飯もバラバラで食べればいいし、
そのかわり土日は一緒にご飯を食べよう」
私の解釈 (結婚しても私は何も負担は増えない上に、好きな人と一緒にいる時間が増えて嬉しい)
旦那「生活費は全部俺が出すから心配しないで大丈夫だよ。
エリの給料は全部エリのお小遣いとして使えばいい。
もしくは、子供ができた時とか急な出費に備えて、貯金とかすればいい。
美容にかかるお金だったら、俺がいくらでも出してあげるよ」
私の解釈 (私の給料を全く当てにしないどころか、いつまでも綺麗でいたいという女性の願望を理解している人だ)
これだけ言われたら、もうメロメロです。
なんて優しくて頼りになる男性なのかしら、まさに理想の王子様が現れたって思いました。
でも、全て幻でした。
結婚生活のピークは一番最初にやってきて、あっけなく崩れ去っていきました。